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女郎の打ち捨てをわざわざ見せた理由とは? 横浜流星の圧倒的な“陽”の説得力とは? NHK大河ドラマ『べらぼう』第1話考察

text by 苫とり子

横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が1月5日(日)より放送開始した。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く。今回は第1話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

今、江戸中期が熱い!

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第1話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第1話 ©NHK

 今、江戸中期が注目されている。とりわけ、田沼意次が実権を握った第10代将軍・徳川家治の時代がエンタメ作品で取り上げられているのだ。

 例えば、2024年1月期に放送されたドラマ『大奥』(フジテレビ系)は、家治(亀梨和也)と政略結婚させられた五十宮倫子(小芝風花)を主人公に、江戸城の大奥で繰り広げられる女たちの愛憎劇を描いた。

 2023年にNHK「ドラマ10」枠で2シーズンにわたって放送された『大奥』は、奇病・赤面疱瘡により男女の役割が逆転した江戸を描くSF時代劇。こちらは3代将軍・家光の時代から大政奉還まで200年以上の歴史を駆け抜ける壮大な物語だが、なかでも視聴者に好評だったのは、田沼(松下奈緒)の内命により、本草学者の平賀源内(鈴木杏)と蘭方医の青沼(村雨辰剛)らが赤面疱瘡の撲滅に挑む家治の時代だ。

 そして、同じく家治の治世下から始まる大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』が1月5日より放送開始となった。喜多川歌麿、東洲斎写楽など名だたる浮世絵師を世に送り出し、江戸のメディア王と呼ばれた“蔦重(つだじゅう)”こと、蔦屋重三郎(横浜流星)の生涯を描く本作。NHKの『大奥』と同じく、森下佳子が脚本を手がける。

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