比嘉愛未と岩田剛典だからこその役の深み
放送を観てまず思ったのは、この謎多き本作を理解するには台詞のみならず、楓と純を演じる比嘉と岩田の表情に着目する必要があるということだ。
主演の2人の表情は、台詞で語られる以上に雄弁だ。とはいえ、2人ともそう単純な人物ではない。その表情までもがウソに見えることがある。
例えば、純が楓に向けるにこやかな笑顔は純粋な愛情によるものなのか、それとも偽りなのか、中盤以降は分からなくなってきた。
楓も純も一筋縄ではいかない難しい役柄であるが、比嘉と岩田だからこそ役の深みが増している。比嘉といえば、2024年7月期に放送されたサスペンスミステリー『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)が記憶に新しい。
彼女が演じた杏子はママ友グループの中では控えめな立ち位置であるものの、高圧的な教育を続けるモラハラ夫に立ち向かう強さも持ち合わせた光のような存在だった。とはいえ、それがおもしろみともいえるのだろうが、杏子についても訝かしく思うようなシーンもあった。
脚本に仕掛けられた謎に注目しがちだが、役者の細やかな表情や画面の雰囲気作りが重要な作品であることは間違いない。そういった部分も楽しみながら、この森を存分に迷いたいと思う。
(文・西田梨紗)
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