市川実日子・平岩紙・鈴木杏
3人衆のやりとりが気持ちいい
急激に距離が縮まるのは、ある日の帰り道、清美が車に轢かれそうになったところを高橋さんが助けてくれたから。
これが、どう考えてもアウトだった。助けられる事故じゃなかった。正直、『ブラッシュアップライフ』で安藤サクラが演じた麻美みたいに、1話にして命を落とすのか…?と身構えた。なのに、高橋さんは人間離れしたパワーとスピードで、やってくる車から清美を自転車ごと移動させた。
CMをはさんで平然としている清美。え、なにが起きたんだろう…と困惑した。それは清美も同様で、事故の後に高橋さんを問い詰めたところ、自分が宇宙人であることを白状したようだ。
高橋さんが、宇宙人だと…? 誰にも言わないで、と念押しされた清美だったが、あっさり地元の友だちに高橋さんについて話すと、彼女たちは「日本に5000人くらいいそうなおじさん」と例えた。上手い。まさにそんな感じだ。
そんな感じで、この3人衆のやりとりが気持ちいい。話題から話題への展開とか、ツッコミとか。ここ最近こそ会える頻度が減ったけれど、古くからの仲であるがゆえの気のおけなさに形があったら、きっとこんな形をしている。バカリズム作品の見どころのひとつ。
しかも、それを演じるのが市川実日子、平岩紙、鈴木杏ときた。流れるような会話は、あまりにも自然で、しかも、なんかちょっと面白い。家のそばに彼女たちがパフェをつつきあっていたカフェ・もんぶらんがあったら、この3人の話を盗み聞きしたくて通ってしまいそう。