何をもって幸せという?
人生100年時代。結婚してもしなくても幸せになれる世の中になってきたが、女性にタイムリミットがあるのは変わらない。そのため、まどかの同期たちは研修医の期間に相手を見つけて、出産まで済ませてしまいたいと思っている。なぜなら、専門医になってしまえば仕事が増えてプライベートのことまで気を配っている余裕がないからだ。
しかし、まどかは「そんな焦らんくても」と能天気モード。恋人の直人(渡邊圭祐)とはいい関係を保っているようだが、“火10”ヒロインの恋愛が平穏無事に進んだためしがないので、何かしらの試練は訪れるはずだ。筆者は、直人は二股をしていたりするのでは…? と睨んでいる。
千冬(髙橋ひかる)や萌(小西桜子)のように、先々のことまでしっかりと考えて、人生設計を練っていくタイプの女性は素晴らしいと思う。2人とも、「(研修期間の)2年ですべて決めないと」と婚活アプリを登録しまくったり、ハイスペ男性との合コンに励んだり…。とくに、千冬は専門分野を決めることに対しても現実主義で、「将来、地元でも開業しやすい科を選択したい」と話していた。
ただ、女性の幸せは結婚して出産することだけではない。それを体現している冴子(木村多江)の存在が、『まどか26歳、研修医やってます!』の深みを出している気がする。
たとえば、「女性の医師は3人に1人しか結婚していない」と聞いたまどかが、「幸せになれるのは、3人に1人ってことか…」とつぶやいていたシーンがあった。
そこで、冴子はすかさず「若月先生、何をもって幸せという? わたしはここ(=未婚)に入るけど幸せよ?」と言ってのけたのだ。「結婚なんて、したい人がすればいいし、仕事が好きなら24時間働いたっていいじゃない。それをライフだのワークだのっていちいち分けるなっての。全部含めて人生でしょ?」という台詞は、令和を生きるすべての人の心に響いたはずだ。