猪突猛進の奈緒の手綱を、松田龍平が握る…まだまだ面白くなりそうな予感のワケ。 NHKドラマ『東京サラダボウル』第2話考察
text by あまのさき
NHKドラマ『東京サラダボウル』が放送中。本作は「クロサギ」の黒丸による原作漫画を実写化。国際捜査の警察官&ワケありの通訳人のコンビが、様々な事情で日本に暮らす外国人居住者の問題に挑む。今回は、第2話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
小さな事件が巨悪へとつながる…。
今回、鴻田(奈緒)が担当するのは、電動自転車のバッテリーを盗んだスリランカ人のアシャン。頑なに口を開こうとしないアシャンに、鴻田はスリランカ料理についての質問をする。場を和ませるためだろうか。
しかし、特別な進展もないまま、盗難車部品の密輸事件の容疑者を連行してきた刑事・太良尾(平原テツ)に、通訳センターで唯一シンハラ語の通訳ができる清宮(イモトアヤコ)を横取りされてしまった。
太良尾にしてみれば、バッテリーの盗難は些末な事件なのだろう。だから、「故郷の話だって、生活の話だって、被疑者の背景を知るために必要なこと」という鴻田の訴えは届かない。料理のことを聞いていたのは会話のきっかけをつくろうとしたからかと思ったが、そんな意図もあったとは。
罪を犯したからといって、その人のすべてを悪とは捉えない。これが鴻田の刑事としてのスタンスだと、改めて提示される。割を食ったかに見えた鴻田だったが、彼女が担当していた事件と、太良尾たちが追う組織が、徐々に接点を持ちはじめる。