有木野(松田龍平)の過去が明らかに
きっかけは、アシャンの働く飲食店に聞き込みに行ったこと。店長と思われるスタッフと話しているときにキッチンで顔色を変えたスタッフを、鴻田は見逃さなかった。鴻田の「あなたを信じる」という言葉で、そのスタッフはバッテリーを高く買ってくれる男のことをアシャンに話したと教えてくれた。
その男こそ、東新宿署国際捜査係が追う組織の中核にいるとされる、元暴力団員の安藤だった。どのような人物かわからぬまま鴻田は安藤のもとを訪ねるが、関係者の逮捕を知って焦っている安藤に捕まってしまう。
間一髪のところで有木野(松田龍平)がやってきて大事には至らなかったが、鴻田は始末書を書く羽目に。単独捜査が招いた今回の一件を反省しているといいのだが…。始末書を書きながら、「お腹空いた」と言っているようじゃ無理かもしれない。
気になるのは、鴻田から謝罪を受けていた有木野が言った「あんた、落ちるよ」という言葉。警察のなかで自分のやり方や正義を貫くことの難しさを忠告しての言葉のようだが、そこには落ちた人を近くで見てきた実感がこもっていた。あるいは、落ちたのは有木野自身かもしれない。
それを示唆するように、有木野の過去が明らかになる。鴻田の先輩刑事・杓野(中川大輔)が人から聞いた話によれば、有木野は上麻布署の内部情報を週刊誌に漏洩したことで警察官を辞めることになったらしい。それは外国人相手の取り調べ中に起きた“意図的誤訳”に関するもので、その結果、死人も出ているという。