努(安井順平)の高額出費のカラクリ

『プライベートバンカー』第2話 ©テレビ朝日
『プライベートバンカー』第2話 ©テレビ朝日

 努は秘書にしたいと誘い、幸絵を個人の資産管理会社・株式会社ツトミックスの社員として雇用する。雇った理由は、幸絵に関する出費をすべて経費で賄うため。毎月の手当は給与として、マンションは社宅として、旅行は出張費として…。

 妻にバレるリスクが大幅に軽減される上に、努は一切身銭を切らず幸絵と交際ができる。一夜で何十万も消える遊びが成立するのも、このカラクリがあるから。純粋な金融知識だけではなく、こういったちょっぴりあくどい仕組みが耳に入るのも、本作の面白いところだろう。

 正直、双方ともに愛がなければ完全にWin-Winの関係性だが、幸絵は努に本気になってしまったのだからそうもいかない。努の妻・果澄(MEGUMI)に不倫が露見してしまったときも、「私を選ぶはずですから」と力強く言い切っている。

 それはもう欲というより、女のプライドや意地で。引き際を見失ってしまった幸絵の気持ちも、わからなくはない。

 努は幸絵を社長とする「ハニーベイビーズ」という会社を設立していた。登記上の内容は、幸絵の念願であるピラティス教室の運営。愛情から彼女の夢を応援しているかのように見えるが、実態はちょっと違っていて…。

 簡単にいえば、幸絵との交際費を会社の経費で賄っていたように、「ハニーベイビーズ」社は役員である5人の女性にお金を配る場所。つまり、努は幸絵を含む6股交際をしていたのだ。

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