久美子(鈴木保奈美)と庵野(唐沢寿明)の関係性にも注目
お金持ちゆえの身勝手さがあけすけに描かれたが、幸絵の知識の無さと、うかつさが生んだ出来事でもある。ラウンジ嬢をやめ、努との関係一本に絞ったあげく、株価が暴落するかのごとくすべてを一気に失うことに。
努の“愛情の分散投資”は褒められたものではないが、分散によるリスクヘッジの大事さが身に染みるシーンだ。
投資に失敗した幸絵に残された道は損失を確定させる“損切り”しかないが、意外にもここで手を貸したのは庵野だった。彼の入れ知恵によって知識を身につけた幸絵は、「ハニーベイビーズ」の株を2億円で買取るよう、努相手に反撃に出るのだった。
物語の後半では、巧みな戦法によって努の信頼を獲得。ラストでは、努の転落事件を“事故”と主張し、果澄の弱みを握ることに成功した庵野。向かうところ敵なしだが、天宮寺一族には土屋アンナ、夏木マリ演じる濃い面々がまだまだ控えているのだから、油断はできない。
今回のひとつのテーマであった「卵は一つのカゴに盛るな」の格言。この格言が庵野の頭に浮かんだのは、久美子がすき焼きに使う卵をいっぺんに落とす瞬間を目撃したからだ。
久美子が庵野に刺激をもらっているように、庵野も久美子の何気ない行動からインスピレーションを受けているのかもしれない。そう考えると、お金の知識はヒヨッコでも、久美子がうんと頼もしく思えてくる。次回は、いったいどんな学びを授けてくれるのだろうか。
(文・西本沙織)
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