「法律だけでなく将棋にも詳しくなれる歩田法律事務所です」
パラリーガルの乾を演じるのは小林聡美。明るい人で、今後、虎太郎だけではなく、竜美の保護者的立場になりそうな予感だ。乾の存在感によって、作品も、歩田法律事務所もどっしりとした安定感が出てくるように思う。
1話の注目ポイントとしては乾の電話の取り方。依頼も少なく、給料もまともに払えない時期には「今ならなんでも引き受ける歩田法律事務所です」。無事に裁判で勝ったラストシーンでは「法律だけでなく将棋にも詳しくなれる歩田法律事務所です」。
的確に一言でその時々の事務所の状況を現してくれているのがツボだ。
そのほか、竜美の父親・辰夫を田辺誠一、母親・香澄を和久井映見が演じる。天堂家のシーンも多く、娘が大好きな辰夫、明るく娘を支える香澄…と温かな家庭であることが伝わってくる。辰夫は裁判官なので、今後も登場シーンは多そうだ。
また今回はちらっとしか出演していなかったが、竜美の将棋のライバル・駒木兎羽を演じるのは白石麻衣。どのように物語に関わってくるのか気になるところ。
それにしても主要人物の名前には、どこか規則性があるように見える。「竜」美・「虎」太郎・「兎」羽は、干支だろうか。「歩」田や「香」澄などは将棋の駒に関係するものもある。
観ているとなんとなく将棋の知識も増えそうでいて、なにより登場人物たちが人間味に溢れているということも大きな魅力。法律や将棋の枠にはめられないような人間らしさも見せてもらえそうだ。
(文・ふくだりょうこ)
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