御上が文科省を追われた理由は?
また、ドラマとして節々に与えるメッセージも強烈に届いてくる。教育現場の現実がメインテーマではあるが、第1話ではゴシップを流し、不倫した教師を退職へと追いやった神崎(奥平大兼)に対して御上はしっかりと向き合う。
神崎の既存メディアへの批判も聞きつつ、ゴシップを垂れ流すことによる影響を想像しなかったのかと声を荒げるのだった。人一人の人生を簡単に狂わせてしまう現代の報道へのアンチテーゼにも見えてくる。
フラットな思考を持ち、現場のはるか先まで見えている御上は、なぜ省内の天下りあっせんの責任を取らされ文科省を追われることになったのかという謎はどうやらドラマ全体の縦軸となる予感だ。
学園ものや教育現場の現実に、謎という要素も加わり、複雑に絡み合う日曜劇場『御上先生』。ドラマとしての本領が発揮されるのはもう少し先かもしれないが、最後まで見届けると決心するのが容易なほど第1話は魅力的な仕上がりとなっていた。
(文・まっつ)
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