ドラマ『秘密』第1話考察&感想レビュー。初回から重すぎる…板垣李光人&中島裕翔の相性が突出しているワケ
板垣李光人&中島裕翔がW主演のドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)が放送開始した。科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”が、死者の生前の記憶を映像化する特殊技術で難事件に挑む。今回は、第1話のレビューをお届け。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
——————————
【著者プロフィール:ばやし】
ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。
死者の秘密と引き換えに真実を明らかにする
「秘密」とは心に秘めたる誰にも知られたくない想いであり、時として、人の命を左右するほどの重みを持つものでもある。
ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』(カンテレ・フジテレビ系)は、「MRI捜査」と呼ばれる特殊な手法によって、死者の生前の記憶が視覚化できるようになった世界を舞台に、秘密をのぞき見る罪の意識と責任に苛まれながらも、真実を明らかにしようとする人々を描くヒューマンサスペンスだ。
原作は清水玲子によって1999年から連載されている『秘密-トップ・シークレット-』シリーズで、美しい絵柄からは想像できないほど、残酷で不条理な事件と猟奇的な危うさをまとった儚いストーリーが紡がれていく。
ファンからの人気も高く、そんな原作の世界観を再現するのは茨の道とも言える。しかし、ドラマ『アンフェア』シリーズ(フジテレビ系)も手がけた脚本家の佐藤嗣麻子は原作者の大ファンでもあり、連載当初から映像化を試みて何度も企画を立ち上げたという。
その熱量がようやく実を結んだ2025年。物語の始まりは、新たに創設された科学警察研究所・法医第九研究室(通称・第九)の室長に任命された薪剛(板垣李光人)と相棒の鈴木克洋(中島裕翔)が並んで歩く姿だった。
「これからは被害者が死んでもおしまいじゃない。これまで藪の中だった動機や不明の犯人が分かるんだよ」
熱弁する鈴木が「やりがいのある仕事だ」と語るとおり、これまで証拠不十分で迷宮入りになった事件解決の糸口となるのが、死者の脳から記憶を映像化するMRI捜査を主導する第九だった。
しかし、その捜査方法が全面的に受け入れられているわけではない。「まだ試験段階ですよね?倫理的な問題は解決したんですか?」と捜査一課の刑事が不満を露わにするように、現場へ足を踏み入れることなく、死者の尊厳に踏み入るMRI捜査には非難の声も上がっていた。