兼下に訪れた変化の兆し
雪のひょんな一言から、消防隊を離れたことが息子の光(高木波瑠)にバレてしまったとき。うつむく兼下に、光が「ダサッ」と声に出していた。たしかにヒーローのような消防隊員は、子どもながらに憧れがあったのかもしれない。だが、きっとその言葉は、指令管制員の仕事に対してではなく。
「司令課の仕事が好きなの?」と光が聞いたとき、すぐに「好き」と答えられなかった兼下に対しての一言だろう。兼下自身が指令管制員の仕事にあまり誇りを持てていなかったのを、見透かされていたのだと思う。
でも、そんな兼下にも、雪や堂島との交流で徐々に変化の兆しが見えてくる。兼下がひたむきに仕事と向き合う姿は、エネルギーに満ち溢れていた。誇りを持って働く姿は、どんな仕事だってカッコイイ。その感動は、兼下の仕事姿を見学しにきた光の、こぼれ落ちそうな程の瞳が物語っていた。
兼下のように、雪にも心に住みつく過去がありそうだ。第1話冒頭には、まだ子どもだった雪が火事を目の当たりにするシーンがあった。そして今回は、姉の小夏(蓮佛美沙子)が心因性の失声症であることが明らかに。今後、雪も自らの過去と向き合っていくことになるのだろう。
(文・西本沙織)
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