女郎を「花」に見立てることを思いつく

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第3話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第3話 ©NHK

 やがて江戸のメディア王として時代の寵児となる蔦重。第3話では、その片鱗が至るところで垣間見えた。

 まず光ったのが、資金集めの才能。蔦重は女郎の絵姿を集めた本を企画するが、それにはお金がかかる。けれど、蔦重にはお金がない上に、女郎屋や引手茶屋の主人である吉原の親父たちは非協力的なので借りるあてもない。

 そこで蔦重が考えたのが、「入銀本」だ。入銀本とは、現代のクラウドファンディングのように、興味を持ってくれた人からお金を募って作る本のこと。さらには金額に応じて掲載順を決める仕組みにして、女郎たちを競わせる。蔦重は最初に花の井を通じ、平蔵(中村隼人)から50両を巻き上げた。その50両はきくに渡し、二文字屋の女郎たちを救う。

 ちなみに平蔵はこれで親が残した蓄えを食い潰したため、もう吉原には来れなくなってしまった。惚れた弱みとはいえ、その男気には感服させられる。今のところ、報われて欲しいキャラクターNo.1だ。

 次に人気絵師・北尾重政(橋本淳)を訪ね、挿絵を依頼する蔦重。女郎たちからかなりの資金が集まったので、報酬ははずめる。しかし、問題はどんな絵にするか、だ。重政は墨擦で人を描くと、似たような絵が延々と続くだけで、つまらないものになることを懸念していた。そこで蔦重のアイデアが冴え渡る。蔦重はパッと目に入った花で、女郎を見立てることを思いつくのだ。

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