彼氏・砂田（渡邊圭祐）との仕事観のズレ

　まどかの彼氏・砂田（渡邊圭祐）は、とにかく優しい…が、別れのときが刻一刻と迫ってきているように思う。まず、まどかと砂田は仕事観があまりにも違いすぎる。砂田はおそらく趣味のために仕事をしているタイプだ。仕事の充実度にはそこまで重きを置いておらず、プライベートを充実させられるだけのお金を稼げればいいという感じなのだろう。

　しかし、研修医のまどかはなかなか仕事とプライベートを切り離すことができない。そのため、砂田と野球観戦デートをしているときも、つい仕事のための勉強をしてしまい、彼を怒らせてしまう。

　これが同業者なら、「そういうときもあるよね」と共感してくれるかもしれないが、営業マンの砂田にとっては理解しがたいのだろう。「それって、搾取だよ。ふつう、仕事の時間は仕事の時間におさめる。自分の大切な時間を他人に奪われるのは、人生を奪われているのと一緒」と言っていたが、患者の命を預かる医師という仕事は、“ふつう”とはまた違うのかもしれない…と思ってしまった。

　ただ、砂田は自分の気持ちを伝えるのがうまい。たとえば、「デート中に仕事をされるの嫌なんだけど？」と怒った感じで言えば大喧嘩になりかねないが、彼の場合は「（ベイスターズが負けたのは）まどかのせい！　上司の文句をブーブー言いながらも、持ち帰り残業して、全然応援してなかった！」と拗ねた感じで口をとがらせていた。

　その姿を見て、「うぅ、可愛い…」と思ったのは筆者だけではないだろう。「俺は、ベイスターズを応援してるときが何より楽しいの。その時間を共有できる人と一緒にいられないんじゃ、意味ないよ」とまではさすがに言い過ぎでは…？　と感じたが、すぐに「俺、ちょっと言い過ぎた。ごめん」と素直に謝れるのも、砂田のいいところ。
　
　ほかにも、まどかが仕事で落ち込んだとき、「でも、分かんないよ。野球だって、9回ツーアウトからって言うだろ？　諦めなければ、逆転のチャンスは来る」とアドバイスを送ったり、とにかくいい彼氏ではあるのだが、ワークライフバランスを大事にする砂田は、仕事に人生を捧げそうになっているまどかを理解することはできない。おそらく、ドラマの中盤くらいで2人は破局してしまうのではないだろうか。