序盤から名言連発…大河ドラマ『べらぼう』が面白過ぎるワケ。もっとも良い味を出しているキャストは? 考察&感想レビュー
text by 田中稲
横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が放送中。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く本作。今回は、史実も交えつつ、『べらぼう』の面白さを多角的な視点で振り返る。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:田中稲】
ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。
“桁外れ”に面白い大河ドラマ『べらぼう』
2025年1月5日(日)から放送がスタートした、NHK大河ドラマ『べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜』。舞台は、戦なき1700年代後半。この時代が描かれるのは大河初だというから驚き桃の木山椒の木ってやつよ!
…とまあこのように『べらぼう』の影響ですっかり江戸っ子言葉にハマってしまっている。
「待ちかねたぞ、待ちかね山じゃ」「かたじけなすび」「ありがた山の寒太郎」「そう上手くはイカの嘴」「呆れがひっくり返ってお礼にくんだろ」「鼻から屁が出る病になりゃいいんだ!」など、粋でシャレていてテンポが良くて、音楽を聴いているような心地よさがたまらない!
もっとないかと検索をかけてみたら、面白い語呂合わせがたくさんあった。「どうぞ叶えて暮れの鐘」は、日常でもすぐ使えそうだ。「おっす」も江戸言葉だったとのこと。これにはびっくりした。すっかり『8時だョ!全員集合』(TBS系)のいかりや長介が由来と思い込んでいた。
ちなみにタイトルになっている「べらぼう」は「馬鹿者」「桁外れ」の意味なのだそうだ。確かに蔦屋重三郎の行動力は桁外れだ。それを演じる横浜流星の声がいい。
2020年に浜辺美波と共演したドラマ『わたしたちはどうかしている』(日本テレビ系)の時から、独特のセリフ回しで活きるナイス鼻声と思っていたが、確信に変わった。