『相棒 season23』第12話考察&感想レビュー。完成度が高い…歴代相棒には無い、亀山薫の唯一無二の個性とは?
text by Naoki
毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season23』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第12話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
————————————–
【著者プロフィール:Naoki】
1995年生まれのエンタメ企業勤務。ドラマ、漫画、ゲームなどサブカルをこよなく愛するオタクライター。自身でも作品ファンを集めたオフ会を開いたり積極的にファンコミュニティを拡大させている。記事は知らない人には分かりやすく、知ってる人にはより楽しめるを信条に活動中。
詐欺集団から病院を守れ!
杉下右京「そもそも本当に頭の良い人間は詐欺師にはなりません」
『相棒season23』第12話「細かい事が気になる患者」は、完成度の高いコメディ作品であった。
脚本を担当した真野勝成が『相棒』を執筆するのは6年ぶりのこと。彼は特命係やレギュラー陣の個性を活かしつつ、過去の小ネタから話を広げるのに秀でており、これまでもS12「右京さんの友達」、S14「陣川という名の犬」、S17「バクハン」など名作と呼んで差し支えない回を多く担当している。
しかし、キャラクターをメインにし過ぎて肝心の物語の内容がイマイチになってしまうことや、あまりにも救いのない結末になることもしばしばあり、いわゆる当たり外れがはっきりした、好き嫌いが別れやすい脚本家でもある。
今回においては、私個人としても面白かったのは勿論、SNS上でも“賛”の意見が多数の当たり回であった。
そんな今回の物語は、右京が検査入院した病院を、コンサル会社を名乗る詐欺師集団が乗っ取ろうとするものである。それを察知した右京は、院長たちに進言しつつ亀山へコンサル会社を調べるように指示を出す。
病院を売って大金をせしめようと、役者や弁護士を従える詐欺師リーダー・ライリー櫻井(岩谷健司)と、病院を守る為に患者という立場から彼等と対峙する杉下右京。
勝負を制するのはどちらなのか、という内容である。