右京が”安楽椅子探偵”に
今回の見所は2つ。
1つ目は杉下右京の”安楽椅子探偵”っぷりだ。
脳波が細か過ぎるという理由から、院長の個人的研究対象として検査入院となった杉下右京。彼は今回ラストシーンを除いて病院から1歩も出ないまさに”安楽椅子探偵”のような立ち位置となっている。
病院から亀山に指示を出し、捜査一課や角田課長(山西惇)などレギュラー陣の協力を取り付け捜査方針を決める。
勿論、右京が何もしないということはなく、警察官の身分を隠してライリー達に直接接触して手がかりを掴むなど、院内で出来ることはすべて行っている。
そして特筆すべきが、杉下右京の“正義”である。
今回、ライリーが率いる詐欺集団の中にも絆があり、犯行に及ぶに至った過去があった。しかし右京は、それを知っても同情などせず淡々と相手を詰めていくのだが、劇中、この病院に思い入れのある老婆(今本洋子)と交流し、彼女の為にも病院を潰させないと決意する場面がある。
単純に、右京を悪を許さない絶対的正義マンとして描くだけでも十分なのに、そこに1つ右京の義侠心を感じさせるエピソードが乗せられたことで、我々視聴者はより右京に同調し、応援したくなるのだ。
そして右京の指示で動いていた亀山も、資産家役として雇われたおっちゃんと飲み屋で仲良くなって情報を得るなどの活躍を見せた。見知らぬ人間と即興で仲良くなるなんて芸当は、他の歴代相棒たちではスマート過ぎて出来ないことなので、亀山薫の個性を活かしていると言えるだろう。