キーパーソンは婿の宏樹(玉木宏)

『プライベートバンカー』第3話 ©テレビ朝日
『プライベートバンカー』第3話 ©テレビ朝日

 今回、庵野はまったく正反対の依頼を同時に請け負っている。沙織からのSOSで海斗を引き取りに来たはずなのに、美琴の「養子縁組届にサインをもらってきて」にOKを出す。ひそかに母親と娘の戦争が勃発するなか、キーパーソンとなるのは、沙織の夫として天宮寺家に婿入りした宏樹(玉木宏)だろう。

 玉木宏のかっこよさと、大人の色気に目を惹かれる。でも、正直宏樹は“うだつが上がらないお婿さん”といった印象だ。美琴に期待されていると信じて日々仕事に邁進しているが、忖度のしすぎで後輩には“天宮寺家の犬”なんて呼ばれている。

 また、沙織や庵野にははっきりと「海斗は僕の子だ」と言えるものの、いざ美琴を前にすると、さっきまでの威勢はどこへやら…。富裕層の婿というのは、やっぱり立場が弱いのだろうか。

 海斗の養子縁組を一度断ったことで、宏樹は物流センターに左遷されることに。しかし、すぐに本社取締役への出世の話が持ち上がる。美琴からの期待の証ともとれるが、これにはお金に関するずるい計略があった。

 宏樹を昇進させるのは、彼をクビにするため。従業員は権利の保証がされており、正当な理由なく首を切ることはできない。ところが、役員の場合は会社との雇用関係がないため、そのルールは適用されなくなるという。諸々の手続きはあれど、ざっくりいうと美琴の一存で宏樹をいつでも解任できるというわけだ。

 さらに、宏樹には複数の事業保険(会社や役員などが加入する万一に備えた保険)がかけられていた。これらは経費に計上できるため、平たくいうと節税に利用されていたということになる。

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