会社を手放したら人は価値を失うのか?

『プライベートバンカー』第3話 ©テレビ朝日
『プライベートバンカー』第3話 ©テレビ朝日

 宏樹にかけた事業保険を一斉に解約すると、4億円ものお金に。美琴はそのお金でクルーザーを買い、4億円にかかる税金さえもプラマイゼロにしようとしていた。

 跡継ぎ候補となる子どもを作らせ、節税に利用し、最後にはクルーザーを買う…。やっていることはあくどいが、手法は実に計画的で、見事としか言いようがない。

 宏樹は美琴に期待されていないと気づきながらも、自ら出世コースを降りることはできなかった。自分の価値が下がりつつあると知りながら、やむを得ず現在の場所で現状維持。そうしているうちに、ますます現実逃避が進んでいく、まさに“塩漬け”状態だった。

 だが、会社を手放したら、本当にその人の価値はなくなってしまうのだろうか。 仕事にひたむきに向き合うサラリーマンほど、答えに悩むであろうその問い。宏樹が美琴に対して目からウロコな方法で果たした下剋上の結末は、非常に痛快で、人生の新たな可能性を示してくれた。

 回が進むにつれ、庵野、久美子、御子柴トリオの絡みのテンポもよくなってきた。一室で久美子の投資話にあーだこーだいうのも、“仲間”という感じがする。次回第4話では、天宮寺家が絶体絶命のピンチに直面するらしい。いったい、次はどんな華麗な方法で解決に導いてくれるのだろうか。

(文・西本沙織)

【関連記事】
【写真】玉木宏の大人の色気に目を惹かれる…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『プライベートバンカー』劇中カット一覧
『プライベートバンカー』第2話考察&感想。愛人につぎ込むのは、愛ではなく”節税”? 思わずクスッとした金融のカラクリとは?
初回から衝撃…唐沢寿明は令和の喪黒福造? 鈴木保奈美のキャラに共感したワケ。『プライベートバンカー』第1話考察レビュー

【了】

1 2 3
error: Content is protected !!