『クジャクのダンス、誰が見た?』第1話考察&感想。最高の考察ドラマが始まった…もっとも印象的だったシーンとは?【ネタバレ】

text by 苫とり子

広瀬すず主演の金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が放送開始した。本作は、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。今回は、第1話のレビューをお届け。(文:苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

——————-

【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

この冬一番の考察ドラマがスタート

『クジャクのダンス、誰が見た?』第1話 ©TBSスパークル/TBS
『クジャクのダンス、誰が見た?』第1話 ©TBSスパークル/TBS

「人は、お互いの心を知ることなどできない。たとえ、それが長い時間を共にし、慈しみ合う者同士でも、秘密を隠し持つ。私は、辿り着けるのだろうか。深い森に隠されたその場所に。あなたがそこに閉まった小さな光に」

 1月24日(金)にスタートした『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)は、「このマンガがすごい!2024」オンナ編第4位にランクインした浅見理都による同名漫画を原作としたヒューマンクライムサスペンスだ。

 今回の実写ドラマ化にあたっては、『半沢直樹』(2020)や、Netflixシリーズ『サンクチュアリ -聖域-』(2023)で知られる金沢知樹が脚本を担当。演出の一人には、『半沢直樹』や『マイファミリー』(2022)をはじめ、数多くのTBS日曜劇場を手がけてきた田中健太が名を連ねており、初回の放送は約45分が一瞬にも感じられる期待値以上の出来となっていた。

 物語はクリスマスイブの夜に、大学生の山下心麦(広瀬すず)が元警察官の父・春生(リリー・フランキー)と屋台でラーメンを食べる場面から始まる。軽口を叩き合う仲の良い親子の姿に癒されたのもつかの間。小麦がサークルの飲み会から帰ってくると自宅が火事になっており、春生は帰らぬ人となってしまうのだ。

 火事の原因は放火で、犯人は幸いにもすぐに逮捕される。その人物は、22年前に一家6人が殺害された東賀山事件で死刑判決を受けた遠藤力郎(酒向芳)の息子・友哉(成田凌)。事件の後、友哉は不遇な人生を送っており、力郎を逮捕した春生を恨んでの犯行と見られた。

 だが、春生が生前、ラーメン屋台の店主・染田(酒井敏也)に託した手紙には友哉を“冤罪“とする記述が。さらには、封筒に300万が入っており、「そのお金で弁護士の松風義輝(松山ケンイチ)に弁護を依頼してほしい」と書かれていた。

1 2 3
error: Content is protected !!