『クジャクのダンス、誰が見た?』の意味とは?
『クジャクのダンス、誰が見た?』というタイトルは、「ジャングルの中でクジャクが踊っているのを誰も見ていなければ、それは存在しないのか?」というインド哲学の命題から来ている。
誰も見ていなかったとしても、クジャク自身が自分に嘘をついていたとしても、クジャクが踊っていたという事実はなかったことにはならない。
罪も同じ。目撃者はいなくても、春生が殺されたという事実は存在していて、犯人だけがそれを知っている。誰が、犯人なのか。
真相を突き詰めていけば、自ずと「なぜその人は春生を殺したのか」という疑問の答えにも辿り着く。そこにはもしかしたら心麦が知りたくなかったことも隠されているかもしれない。
それでも、ジャングルに隠されたものを見る覚悟を決めた心麦に協力することにした松風。「ジャングルまでは付き添うよ。僕が君の目になる」という台詞はなかなかにかっこいいと思うが、それに一切キュンとすることもなく、「私は私の目を信じてますから」と言い返すところに心麦の強さが表れていてよかった。
すでにSNSでは、春生を殺した真犯人についての考察が繰り広げられており、心麦に事件を探って欲しくなさそうな春生の元部下・赤沢刑事(藤本隆宏)、春生の死亡保険金を一時的に預かっている祖母の夏美(原日出子)、ラーメン屋台の店主・染田などの名前が挙がっている。
心麦に接触してきた雑誌「週刊ジダイ」の記者・神井(磯村勇斗)は怪しすぎて、逆に視聴者からはあまり疑われていない。
そんな神井の「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」という衝撃の言葉で幕を閉じた第1話。22年前の東賀山事件では、一家の次女だけが生き残ったと言われており、その次女が心麦ではないか?という声も。この冬一番の考察が盛り上がるドラマとなりそうだ。
(文:苫とり子)
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