真戸原(松村北斗)の”沼”ポイントとは?
瀬奈にとっての2人目の運命の人となるのは、やっぱり真戸原(松村北斗)だろう。宇井と話しているときの瀬奈は、いつもどこか無理しているように見えるが、真戸原とは初対面のときから素を出していたように思う。
また、別の事務所で働くライバルだったはずが、瀬奈の同僚になる…という展開にも運命を感じてしまう。真戸原の魅力はいろいろあるのだが、こずえ(長濱ねる)の言葉を借りるとするなら、「常識にとらわれない大胆なところ」がいい。
それなのに、無鉄砲キャラではなく、どちらかというと落ち着いたタイプに見えるのが“沼”ポイント。やはり、「見た目は『耳をすませば』の聖司くんで、中身の勇敢さは『もののけ姫』のアシタカみたい」なところが、このギャップを生み出しているのだろうか。
今の瀬奈は、「愛するものを失った痛みは、ずっと消えることはない。だったら、初めから愛さない方がいいに決まっている」とかたくなに心を閉ざしてしまっている。だからこそ、ガンガンと瀬奈の心に土足で足を踏み入れてくる真戸原のような存在が、必要なのだろう。
ちなみに、真戸原は土足で入ってはくるものの、申し訳なさ気につま先立ちで歩くタイプだと思う。このように、図々しさと腰の低さを両立しているところが、瀬奈が心地よさを感じるポイントなのではないだろうか。
そして、大人っぽい顔立ちをしているのに、中身は無邪気なところも“沼”である。たとえば、前の事務所をクビになったことを伝えたとき、先輩の早川(じろう)から「うちには合うといいですね」と明らかな嫌味を言われたのに、「はいっ!」と満面の笑みで返事をしたり。
瀬奈の大学に行ったときは、通ってもいないのに「うわ〜懐かしいですね!」とワンコのように走り出して、「いや、通ってないでしょ」とツッコミを入れられていた。こずえから「それって(瀬奈のことが)好きってことですか?」といじられたとき、「えっ、違いますよ!」などと全否定するのではなく、「えっ、そうなんですか?」とキョトンとしていたのも可愛すぎた。
コスパ・タイパ重視の瀬奈と、理想主義者の真戸原は、弁護士としても良いコンビになっていきそうだ。
たとえば、瀬奈が「別れちゃったら、全部無駄だよ。時間の浪費」と言っても、真戸原は「長く付き合うって、幸せなことだと思います。だって、楽しい思い出も、そこから学んだことも、全部残るじゃないですか」「もしもそのせいで傷ついているんだったら、それだけその人のことを思ってたってことじゃないですか。別れたら、その気持ちもなかったことになっちゃうんですか?」と正反対の意見を述べる。
この2人だからこそ、解決できる案件がたくさん出てくるような気がする。