今後のキーパーソンになりそうなキャラクターは?

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第1話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第1話 ©NHK

 蔦重が入銀本を必死で作っているのは、ドラマの舞台となっている吉原の繁栄のため。第一話では、亡くなった遊女たちが裸で路上に捨てられているシーンが話題となった。個人的には連続ドラマにとって必須の「来週の放送へ誘(いざな)う」のための、インパクトある手法だと思った。が、世論は子どもたちに見せられない、NHKにふさわしくないと言った意見が飛び交う。果たして、そうだろうか?
 
 NHKでは遊郭が過去のものとして放送している最中、皮肉にも民放局では女性への性被害問題で世間を騒がせている。こんな今だからこそ、情報がない人たちへ知らせる手段だと私は思う。手元に寄せられる情報だけでは、日本は女性が遊郭で生きるしかない、という時代となんら変わらない。女性は接待要員でも、売り物でもない。情けないことに日本では、今でも職業的なゾーニングができていないと感じる時も多々。そういった事案に判断、勉強材料として見られる大河ドラマにしてほしいと思う。男女は平等なのだと。

 蔦屋重三郎がメディア王とのし上がる、クラウチングスタートは切られた。平賀源内が入銀本の号を蔦重に渡す際、こう言っていた。

「おめえさんはさ、これから版元として書をもって世を耕し、この日の本をもっともっと豊かな国にすんだよ」

 これから一年続く、目眩くストーリーの予感がした。
 
 余談だけどいつも蔦重のそばにいる、唐丸(渡辺斗翔)がどうも引っかかる。第四話で見事な絵の腕を見せていたので、ひょっとして東洲斎写楽(とうしゅうさい・しゃらく/江戸時代の超絶有名な浮世絵師で、皆、見たことのある絵を描いています)なのかもしれないと思ったのは私だけだろうか? いや、こんなことを考える時点で、もうドラマに大ハマりをして余分なことを書き連ねる、べらぼう者にございます。

(文・小林久乃)

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【了】

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