”レジリエンス”の意味

『相棒 season23』第13話 ©テレビ朝日
『相棒 season23』第13話 ©テレビ朝日

 今回の見どころは、エピソードタイトルにもなっている“レジリエンス”。

 “レジリエンス”とは、人間の精神的な回復力のことで、トラウマや恐怖心も時間が経つと薄れていったり、過酷な環境でも適応できるとなどのことが、例として挙げられる。

 さて今回の事件、平井は為永を含む4名を本当に殺害していた。しかし、「女装を嗤われた」というのは嘘だった。一連の殺人は、ミオこと北原莉央と親子同然の関係にあった平井が、彼女の復讐の為に行ったのである。

 莉央は小学生時代に為永に初恋をするが、養護施設出身であることから、彩子から邪険にされてしまう。
 
 その後、大人になって再会した為永と交際するが、デート中に不良に絡まれた際、為永は莉央を見捨て逃げ出し、結果、莉央はその場にいた男から暴行を受け、そのショックから自殺未遂に至った。

 意識不明から目覚めた莉央は、平井に伝えるために怒りと恨みの中で告発漫画を描き、それを読んだ平井は、彼女の為に実行した。殺された4名は莉央の自殺未遂の原因となった当事者だった。

 そこで出てくるのが”レジリエンス”だ。

 平井は、仕事を通して、人間が困難な状況下でもレジリエンスを発揮して立ち直り再起していく姿に喜びを感じていた。しかし、莉央を傷つけた4名も社会的な罰も受けずに再起して幸せな日々を過ごしていた。つまり、罪悪感までもレジリエンスにより消えてしまっていたである。

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