現代社会を色濃く投影

『プライベートバンカー』第4話 ©テレビ朝日
『プライベートバンカー』第4話 ©テレビ朝日

 裏金、パパ活など、現代社会を色濃く投影しながら、本回では近年認知度が高まってきた暗号資産にも触れられた。暗号資産とは、インターネットを通じてやりとりできる電子的資産のこと。

 投資家保護や健全な市場維持のため多少は規制され始めたものの、銀行を通さない分資産の流れを追うことが不可能であるなど、法律が追いついていない部分も多い。

 久松は暗号資産の規制強化に対して慎重派だったが、それにはある理由があった。暗号資産は通常、現金化すれば額によって50%程度の税金がかかることがあるという。そこで利用するのが、相対屋(海外の暗号資産を現金で買い取る連中)。彼らに暗号資産を売れば、税金をゼロにできるという構造だ。

 つまりは脱税、れっきとした犯罪なワケだが、現在の暗号資産は銀行を通さず電子データのみで取引されるため、パスコードを知る者以外は資産を確認できないという性質がある。だから、いくら裏金の取引をしても第三者には絶対にバレない。そして唯一のデメリットである現金化も、相対屋を利用すればなんら問題なし。久松が規制に寛容さを示し、強化されれば、この手法も使用できなくなってしまう。

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