庵野への信頼が増す
「完全無欠無限裏金スキーム」と庵野が名付けるほど、まさに突破不可能な壁。だが、ここを切り崩すのが庵野だ。クライマックスの昴の謝罪会見は、他人に言われるがままのお飾りだった彼が、自分の頭で考えた言葉を真摯に紡ぐ胸が熱くなるシーン。
だが、実はこれも庵野の演出で…。オチを知ったときには、思わず「やられた!」と唸らずにはいられない。相手を完膚なきまでに叩きのめしたりはしないけれど、鮮やかな判断と見事な采配ぶりで、必ずスカッとした爽快さを味わわせてくれる。第4話にして、すでに庵野への信頼感がハンパじゃない。
膨大な情報量が流れ込む本作において、和みポイントはやはり庵野、御子柴修(上杉柊平)、飯田久美子(鈴木保奈美)の凸凹トリオだと思う。久美子の素人すぎる投資の失敗談にツッコミをいれたり、庵野の恒例の謎解きを横取りしたり…。ユーモラスな掛け合いが楽しい。
前回では御子柴、久美子が料理人のコスチュームに身を包み、今回は久美子が記者に扮した。そんな助手たちのカメレオンのような変身っぷりも注目どころ。第5話も、すでに待ち遠しい。
(文・西本沙織)
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