幸彦(三浦貴大)を追い詰めたものとは?
もとを正せば、幸彦の父が悪いように思う。幸彦は大企業で働くには不向きな人だった。絵を描くのが好きで、辛い仕事の合間で絵を描くのが唯一の心の拠り所。にも関わらず、その絵を描くことさえも奪おうとした幸彦の父。心が耐えられなかったのだろう。
幸彦は姿を消し、そして自分がいなくなることで妙子のことも解放しようとしていたのだ。
一方、妙子はそばにいながら幸彦に何もしてあげられなかったことを悔いていた。だからこそ、幸彦が失踪してからも松篠家を出ることができなかった。
もともと幸彦と友人だった幹本は妙子を支える立場だったのだろう。
それが、栄田が現れたことで状況が変わる。栄田は幸彦の居場所を突き止め、恐喝。もみ合った末に幸彦が栄田を殺してしまった。そしてその現場を幹本が目撃していた…。
鍵となるのは7年という時間。失踪から7年が経つと、死亡したものと見される。失踪宣告だ。その7年を間近に控え、幹本はどうにか幸彦が見つかることを防ごうとする。
失踪宣告が下されれば、幸彦は亡くなったものとされ、妙子は遺産を受け取り、松篠家から離れることができると考えていたからだ。