頭脳系の能力はハゲる…?

『ホットスポット』第4話 ©日本テレビ
『ホットスポット』第4話 ©日本テレビ

 そんな高橋さんと2人で夜勤。中学生の娘を育てながら、夜勤も土日勤務もこなす清美は、改めてタフだなと思う。せめて勤務時間が平穏に終わってくれればいいのにという願いも虚しく、いくつかのトラブルが発生する。

 まずは幽霊事件。301号室に泊まっている安川(吉村界人)から、お風呂場の電球を替えてほしいといわれて高橋さんが部屋を訪れると、窓に人影が映っていたという。

 電球も替えずに戻ってきた高橋さんからそのことを聞かされた清美が301号室を訪れると、窓に映っていたのは幽霊ではなく、安川がこっそり連れ込んだお連れ様だった。2人分の料金をもらうことに。

 清美、ファインプレー。それにしても、高橋さんは一旦部屋に入ったはずなのに、なんと言って301号室を出てきたのだろう? ちょっと気になる。

 フロントの事務作業も電球の取り替えも清美に押し付ける格好になっているのに、高橋さんはのうのうとお風呂に入りに行こうとする。清美から「どうぞ」という前に申し出てしまうところが高橋さんの間の悪さ。空気を読む、という能力を少し使ったらいいのに。

 ところが、まさに服を脱ぎだしたところで、客室からお湯が出ないとフロントに連絡が入る。どうやら全館でお湯が出ない状態になっているらしい。疑われたのは給湯器の故障だが、高橋さんは能力を使っても直せないし、そもそも頭脳系の能力はハゲるから使いたくないと頑なだ。

【三

『ホットスポット』第4話 ©日本テレビ
『ホットスポット』第4話 ©日本テレビ

 そこへ安川が「30分以内に直らなかったら全額返金しろ」とクレームを言いにやってくる。安川を演じているのは、前述のとおり吉村界人だ。

 ねちねちと逃げ道を塞ぐように問い詰めていくクレーマーの解像度の高さと、吉村演じる安川が醸し出す、きっとこの人が強い立場のままでは終わらないんだろうなという残念な感じにワクワクする。手が付けられそうもない凶暴な役も、蓋を開けたらビビりという役もハマるから、俳優・吉村界人は面白い。牙を剥き出してほしくもあるし、それを抜かれたところも見たくなる。

 安川が水を得た魚のようになったことで火が付いた清美。高橋さんにも頼れないならと、自力で給湯器を直そうとする。

 ドレッシングの賭けにも一一度給湯器の電源を落とすという賭けにも負けた清美だったが、ゴミの除去というこの日三度目の正直で、見事勝利。30分以内にお湯を出すことに成功した。全額返金の要求が通らず意気消沈する安川の姿こそ見られなかったが、バケツ片手にガッツボーズをして給湯器の前を立ち去る清美の後ろ姿がかっこよすぎた。

 これまで数々の見えない手柄を立ててきた高橋さんも、今回は見せ場なしか…と思ったのもつかの間、ホテルに泊まり込んで勉強漬けの日々を送っていた受験生の上村(萩原護)が客室に忘れていった受験票を走って届けることに。それだけでなく、道中、コンビニ強盗を捕まえてしまうのだから、高橋さんはやっぱりすごい。

 しかも、そのコンビニ強盗こそがあやにゃんの電動自転車を盗んだ犯人で、高橋さんによって剛速球と化したカラーボールで、頭から水たまりに突っ込ませるというおまけつき。あやにゃんのなにげない(?)暴言すらも鮮やかに回収していくから、バカリズム作品はほんの些細な一言にまで耳を傾けたくなる。

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