謎の人物「倭建命」からのFAX
そんな私たち大人の前を歩いてくれているのが御上であるように思う。第3話では生徒に上から指導するというよりは、導くように対話を求める姿が目立っていた。しかし、子供たちがいない職員室ではぶつかることも恐れず、「顔を見合わせあって時間をやり過ごしていますよね。人の意見に耳をふさいでできる教育なんてありませんよ」と言い放つ。
もちろん、教育に携わっているわけではないのだが、「教育」は「仕事」という言葉にそのまま置き換えることもできる。自分の意見をただ押し付けても、押し黙っていても、いい仕事はできない。職員室で堂々と自分の意見を伝え、他からの言葉を待てるからこそ、御上は優秀な官僚なのだろう。
ドラマとしては、「倭建命」の名前が書かれたFAXが届き、墓前に立つ槙野(岡田将生)の姿も映し出され、新たな謎がハンガーフック的に次々と立ちはだかる。
だが、正直な気持ちを言えば、それらの謎解き以上に優秀な生徒たちが何に疑問を持ち、御上がどのような“回答”を出してくれるかの方に興味が向いている。彼らと同じように決して考えることをやめたくない、そう決心した第3話だった。
(文・まっつ)
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