物語に引き込む3人の絡み
すでに初回からマンガ原作の強みは十二分に浴びることができたが、2話ではより3人で絡むシーンが増加。軽口を叩きあって事件の謎について議論したり、ターゲットの自宅に扮装して潜入するなど、現実世界ではなかなか想像し得ないことを彼らはひょいとやってのける。
下手をすれば「そんなことあるわけでないしょ」とドラマとしての軽さも与えてしまうリスクも孕んでいるのだが、相続の謎という太い幹が一本通っているため、視聴者を決して離脱させない。
それに、時に灰江がする真剣な表情にも小さくない効果がある。普段は飄々として違法行為も厭わない人間でありながら、ターゲットを追い詰めるときにはえも言われぬ迫力がある。
真顔とにやりとした顔を巧みに使い分けつつ、最後には目に涙を浮かべて犯人と対峙していた赤楚には演技力という言葉以上の何かを感じ取ってしまう。
灰江がやるときはやる、締めるところは締めているからこそ、ドラマとしての格をひとつふたつと上げているのではないだろうか。