友梨(佐々木希)の気持ちも痛いほどよく分かる
膀胱を全摘したら、人工肛門をつけて生きることになる。まどかは、「死んだら、意味ないじゃん」と言うけれど、「生きていたって、意味がない」と思う友梨の気持ちも痛いほどよく分かる。泌尿器科の先輩医師・角田(奥田瑛二)も、「こんなことなら、死んだ方がマシだ」と患者に言われた経験があるようだ。
しかし、まどかの寄り添い力のおかげで、友梨は手術を受けて、「これも、ひとつの個性。そう思って、少しずつ受け入れるようにする」と前を向くことができた。手術前は、「もう恋愛も無理ですよね」と後ろ向きになっていたが、まどかから退院祝いのプレゼントをもらったとき、「人生で気合い入れたいときに(使う)」と笑顔を見せていた。
身体的な病気だけでなく、さまざまな悩みを抱えて、「生きているのが辛い」と感じることはある。でも、生きているのをやめないかぎり、いつかは前を向けるかもしれない。「あのどん底があったからこその、“現在”だ」と思える日が来るかもしれない。そのチャンスを、自ら手放してはいけないんだと思う。