犬頭(上川隆也)の想いにグッとくる…。
そろそろ、登場人物のキャラクター性が観ている側にも定着するころ。犬頭のちょっと偉そうな物言い、「レッツゴーだ」という口癖、そしてアクションシーン。各話で悪役が登場するが、あっさり犬頭にやられるし、やられたあとは小さくなって肩身が狭そうにしているし、もはや、昔懐かしい時代劇の立ち回りシーンのようなものなのかもしれない。
そして今回は、犬頭の犬への愛が爆発。というのも、殺人事件の犠牲者がハッピーという犬と暮らしていたのだ。ハッピーの目の前で飼い主が殺された――そのことに怒り心頭だ。
犬にとって飼い主は世界の中心で、例えどんな人間だったとしても、犬にとっては信頼できるかけがえのない存在だ。その人間が目の前で殺されたとしたら? 何が起こったのかは理解していなくても、急にひとりぼっちになってしまったことは分かるだろう。
犬頭は人の命が奪われたことよりも、犬を案じて怒っていた。
でも、これは動物と一緒に暮らしている人なら、かなり共感できるポイントなのではないかと思う。みな、自分に何かあったらそれは大切な動物の命の危機につながることも知っている(一部のどうしようもない人間を除いて)。だから、元気でいなければならないと思っているし、生きる支えでもあるのだ。
そんないろんな責任と愛を無視して、自分のエゴで人を殺す。いや、殺人ということ自体が悪なのだが、犬頭の犬への想いを聞いていると、妙にグッと来てしまう。一緒に暮らしている動物のためにも、自分がケガや病気をしないように気をつけるだけでなく、誰かから危害を加えられるようなこともあってはならないのだ、絶対に。