早くも厳しい現実を突きつけられる…。
ところが、パールはフェアリーのお腹の中で引っかかってなかなか出てこない。フェアリーは苦しんでおり、獣医師の能見(甲本雅裕)は出産を断念。フェアリーだけでも助けるため、母親の胎内で子馬を切断するという方法をとることに。
あまりにも壮絶すぎる内容に一瞬、目眩がしそうになったが、そうしなければフェアリーの命も危ないのだ。
動物も人間も出産は命がけ。時に母と子の命のどちらを優先するかという残酷な選択を迫られることもある。ただ、人間の場合は母親あるいは親族の意志を聞くことができるが、動物の場合はそれができないので人間が判断しなくてはならない。
能見は総合的に今回の判断を下した。だが、聡里はフェアリーの目から涙が出ているのを見て、「やめて」と言っているように感じ、悲痛な叫びをあげる。動物の声を聞いてあげたいと獣医師を目指した聡里にとってはあまりにも辛い状況であり、冷静さを失うのも分からなくはない。
けれど、出産を続けるにしても諦めるにしても、それを判断するのは人間であり、動物の本当の気持ちがわからない以上、どこまでいってもエゴなのだ。動物に携わる人間はそんな自分のエゴを時折突きつけられながら、命と向き合っているのだろう。
早くも厳しい現実を突きつけられた聡里。山田杏奈が体現する、まだ未熟なところもあるが、ひたむきな聡里の成長を全3話をかけて見守っていきたい。
(文・苫とり子)
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