穂村と木皿の強さと弱さが浮き彫りに
瑞江が氷月に勇敢な刑事と認められた一方で、あらためて刑事としてどうあるべきかを突きつけられたのが木皿と穂村だった。
木皿は元SSBC(捜査支援分析センター)の経歴を活かしながら、犯罪を唆したアカウントの持ち主を突きとめるなど、サイバー面から柊班をサポートしている。しかし、張り込みのさなか瑞江が襲われているとき、木皿は助けに入ることができなかった。
病院のベッドで「俺、ビビっちゃって…。何もできなくて」と自身の不甲斐なさを悔いていることから、過去に何かしらのトラウマを抱えているのかもしれない。
実際「俺の異動希望が通るかもしれないし」と話しているように、現場への執着はあまりないように思える。彼が柊班に配属された理由は今後、明らかになるだろうが、自身の性格と現場での仕事にどう折り合いをつけていくのか。
穂村は熱血漢であるがゆえに、周囲に対しても同様の熱さを求める。木皿はいつもさらりと受け流しているが、新入りの瑞江は穂村の言葉を真正面から受け止めていた。
彼の熱さは刑事として必要なものかもしれないが、その想いが空回りすることもしばしば。カッとなって思いつきで言葉を口走ることも多かった。
ただ、これまで冷静沈着でドライなイメージを持っていた氷月が、凄まじい剣幕で犯人たちと相対する姿を見て、穂村が何を思うか。人一倍の責任感を持っているだけに、これからの成長に期待がかかるキャラクターのひとりだ。