純(岩田剛典)と楓(比嘉愛未)の絆が試されている

『フォレスト』第5話©ABCテレビ
『フォレスト』第5話©ABCテレビ

 筆者はこれまで、純に対しては並々ならぬ疑念を頂いていた。しかし、今は違う。弟の失踪事件の真相を追求しているだけなのだろうと、考えを改めた。

「純」という字は“純粋でけがれのないさま”という意味だが、彼は、その名の通りただ純粋な人なのかもしれない。

 本放送では、楓と純がお互いに知り合った当時の様子が描かれた。

「すてきな名前ですね」
「あっ…いやなんか 『純』って すごくいいなと思って」

 そう言われた時の純の顔が印象的だ。長らく母親を献身的に支えてきた純だが、母は自分を“涼介”としか認識していない。そんな彼にとって思いがけず“純”として褒められたことは、少なからず大きな出来事だったのだろう。

 これまでの放送を観てきた限り、2人の出会いは“偶然”だったのだろう。その後、純が楓との距離を縮めていったのは、純粋に恋心だけなのか、幾島家の人間だと気づいたからなのかは、正直、断定しがたい。

 仮に、そういった打算の気持ちが含まれていたとしても、お互いがお互いを愛する気持ちにウソはないように思える。

 楓も純も、ウソをつかなければならない事情があり、ともに親から自己を否定され、孤独な人生を歩んできたという背景があった。そんな2人にとって、お互いの存在は暗闇を照らす一筋の光のようなものだったはずだ。

 楓と純のかつての暮らしは“平凡”ともいえるのだろうが、こうした暮らしこそが愛おしい。誰かのために食事を作る日々も、帰宅したらおいしい食事が用意されている日々も“格別の幸せ”だ。

 この世界には“運命の人”が存在するといわれている。楓と純はこれまでお互いに隠してきた過去があることも含めて、出会うべき2人であったと思える。

(文・西田梨紗)

【関連記事】
【写真】岩田剛典から目が離せない…貴重な未公開写真はこちら。『フォレスト』劇中カット一覧
岩田剛典の勢いが止まらない…名監督が「聡明な人」と評した演技の魅力とは? 俳優としての稀有な特徴を深掘り解説
三代目 J SOUL BROTHERSのライブはなぜ特別なのか? ドームツアーの演出をガチファンのライターが徹底解説

【了】

1 2 3
error: Content is protected !!