山田杏奈の芝居に胸キュン…”聡里”の夢と恋の行方は? NHKドラマ『リラの花咲くけものみち』第2話考察&感想【ネタバレ】

text by 苫とり子

山田杏奈主演のNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』が放送開始した。本作は、北海道の大自然を舞台に、「いのち」と向き合い獣医師を目指す。元ひきこもり少女の、不器用でいとおしい青春物語。今回は、第2話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

聡里(山田杏奈)の獣医師としての覚悟を問われる

『リラの花咲くけものみち』 第2話 ©NHK
『リラの花咲くけものみち』 第2話 ©NHK

「言葉を話せない動物に寄り添って、ちゃんと声を聴いてあげたい」

 心の支えである愛犬パールを守るためにひきこもりになった聡里(山田杏奈)。祖母・チドリ(風吹ジュン)との生活で少しずつ立ち直り、彼女は大好きな動物たちを救うお医者さんになろうと北海道で寮生活をしながら獣医学を学び始めた。

 ところが、馬の出産に立ち会う中で早くも厳しい現実に直面する。母馬を救うために胎内で子馬を切断するという獣医師の決断を、聡里は受け入れることができずにいた。

 聡里が獣医師としての覚悟を問われたNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』第2話。

「獣医師を目指すのは辞めた方がいい」という静原(石橋静河)の言葉にショックを受け、聡里は逃げ帰るように帰省する。自分は獣医師に向いていないのかもしれない、と落ち込む彼女を励ましてくれたのは大学の仲間たちだ。

 聡里の実家は東京にもかかわらず、北海道から駆けつけてくれた綾華(當真あみ)と久保(萩原利久)。どちらも「用事のついでに」と言い訳するが、きっと聡里が心配でいてもたってもいられなかったのだろう。一見、正反対の2人だけど、不器用で困っている人を放っておけない優しいところが似ている。

 でも、獣医師を目指した理由は全然違う。綾華は兄たちばかりに期待をかける両親への反発心から。鳥類学者の父を持ち、幼い頃から鳥を身近に感じて育った久保が獣医師という仕事を選ぶのは自然な形だったのかもしれない。

 獣医師だから動物が好きとは限らないけれど、やっぱり動物が好きで、動物の命を救いたいから志したという場合がほとんどなのではないだろうか。

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