静原(石橋静河)が厳しい言葉をかけた理由
2人に励まされ、「このまま逃げたら後悔する」と再び北海道に戻った聡里。
少し気まずさはあったが、温かく迎えてくれた静原から彼女は競走馬を診る臨床獣医師だった父の話を聞かされる。腕のいい獣医師だったにもかかわらず、辞めてしまったのは聡里のように厳しい現実に打ちのめされたからだ。
致命的な怪我を負い、走れなくなった場合、新しい場所で生きていける馬もいれば、殺処分される馬もいる。動物が好きだった静原の父はその重い選別に耐えきれなかったのだろう。心を病み、獣医師を辞めた後に自ら命を絶ったという。
静原はそんな父と聡里の姿が重なり、あえて厳しい言葉をかけたのだろう。「獣医師になって父が見た希望も絶望も両方受け止めてやろうって決めたの」と語る静原の覚悟を聡里は目の当たりにする。