司令課3係も少しずつまとまってきた
後半では、「父親が急に倒れた」というコールを与呉が受け取る。意識がない、胸の痛み、冷や汗、顔が真っ青…その症状から、急性の心筋梗塞の疑いがあった。通報者の妻も加わり、AEDの使用や心臓マッサージを行っていく…。
「12、12、12、12…」
通報者と息を合わせながら、絶えずカウントを続けるシーンは、一瞬も目が離せないほどの緊迫感だった。このシーンの大半は、心臓マッサージのカウントと、与呉を演じる一ノ瀬颯のアップ。
電話口の声のみで現場の映像がない分、想像力を掻き立たせられ、自分事のように心臓をドキドキさせてしまう。一ノ瀬の鬼気迫る熱演と、声優陣の臨場感のある演技は、まさに鳥肌モノ…。ぐっと奥歯を噛み締めながら、一緒に要救助者の無事を願わずにはいられなかった。
「わたしたちがついてますから!絶対助けますから!」と叫んだ与呉の言葉は、体力の限界が来て諦めそうになった通報者たちにとって、どれだけ心強かったか。“絶対”というと、なんだか約束のようで気が引けてしまうけれど。折れない心を保つための“ここぞ”と言う場面には、きっと必要な言葉なのかもしれない。
どこかバラバラだった司令課3係に、少しずつまとまりが出てきた。第5話は、一度聞いた声や音を忘れない雪の特技が活躍しそうな予感。きっと次回も、彼女たちの熱い思いに心が動かされることだろう。
(文・西本沙織)
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