『東京サラダボウル』第6話考察&感想。奈緒”鴻田”のミドリ髪の意味が深い…松田龍平”有木野”が心配になったワケ【ネタバレ】

NHKドラマ『東京サラダボウル』が放送中。本作は「クロサギ」の黒丸による原作漫画を実写化。国際捜査の警察官&ワケありの通訳人のコンビが、様々な事情で日本に暮らす外国人居住者の問題に挑む。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

——————————

【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

鴻田(奈緒)の原点が明らかにーー。

『東京サラダボウル』第6話©NHK
『東京サラダボウル』第6話©NHK

 警察官らしからぬ緑色の髪がトレードマークの鴻田(奈緒)。第6話では、そんな彼女の原点が描かれた。

 前回、今井(武田玲奈)の家で催されたパーティーで鴻田が泣いていた理由を考え続ける有木野(松田龍平)。同僚との雑談も取り調べすらも上の空なのは、意識的に他人との距離を置いていた有木野にしては珍しい。鴻田の捜査というか、人との向き合い方そのものに感化され、興味が湧いているのだろう。

 だから、鴻田からのヘルプを受け取った有木野が、道に散乱したゴミの片付けが終わったあとで「お茶をしよう」と誘ったのも頷ける。涙の理由を尋ねると、養護施設で働いていたベトナム人のティエン(Nguyen Truong Khang)と早川(黒崎煌代)を見ていて、大事な人を思い出した、と鴻田は自身の過去を語りはじめる。

 鴻田が生まれ育った福岡県の町には、在日韓国人たちが営む店が立ち並ぶエリアがあった。幼い鴻田は、韓国食材店の娘・スヒョンと出会い、韓国の文化について教わりながら親睦を深めていく。店頭のポップや食材の読み方や名前を教わったり、韓国で食べられていた蚕のさなぎを使った食べ物を食べさせてもらったり、チマチョゴリを着させてもらったり。

 勝手に決めつけて判断するのではなく、純粋に“知りたい”という好奇心が溢れる当時の鴻田の姿が、いまの彼女とダブって映る。スヒョンの父が言った「見た目で判断するとは愚かなこと」という言葉を体現しているかのようだった。

1 2 3
error: Content is protected !!