ライバル登場!「鶴屋」を演じる風間俊介のたくらみ顔に見惚れる
女郎の錦絵で吉原アピール作戦に打って出た蔦重。版元・西村屋与八(西村まさ彦)の協力もあり、呉服問屋とコラボで「雛形若菜初模様」を完成させる。
今でいうファッション広告的な感じだろうか。絵師・礒田湖龍斎を普段、白塗りメイクの鉄拳が演じている。この人のパラパラマンガに何度泣かされたことだろう。
初めて素顔を見たが、白塗りメイクの時から想像していた顔とほぼ一致していたので、まったく驚かず。ただただ、ちょんまげと絵筆が似合うとてもいい顔だと思った。
西村屋のすすめで版元を目指し平賀源内(安田顕)に「耕書堂」というステキな名前までもらったのに、実はすべて鱗形屋の罠。蔦重には「株仲間」という高い高い山がそびえたつのだ。
株仲間の一人、鶴屋喜右衛門を演じるのが、類稀なる「たくらみ顔」の持ち主、風間俊介。穏やかだが一ミリたりとも笑っていない目。口を最小限にしか広げず、しかしスラスラと蔦重が版元になれない理由を説明する奇跡のセリフ回し。
ああ、今回も最高に苛立つぜ風間俊介(←褒めてます)! 普通にしていても表情とセリフが挙動不審な西村まさ彦との凸凹コンビは最高である。鶴屋は蔦重のライバルとして今後も絡んでくることになる。横浜VS風間の小競り合いが楽しみである。
ちなみに、株仲間とは、シンプルに言えば同業者の管理組合のこと。仲間以外は発行を認めないなど、かなり条件は厳しく思えるが、それなりに理由もあったのだ。
彼らは営業を独占するかわりに納税し、盗品・盗人を防ぐなどの役割も担っていた。 田沼意次も「同業者にしかわからないこともあるだろうから、まとまって管理してくれたら助かる」と、この仕組みを推奨していたそうだ。