唐丸(渡邉斗翔)=写楽のフラグ? 第5話
第5話は、唐丸(渡邉斗翔)の前に怪しげな風貌の浪人(高木勝也)が現れる。唐丸は脅され、引手茶屋の金庫からお金を盗んでしまう。一度ならず、何度もせびりにくる浪人に体当たりし、一緒に川に落ちて行方不明になるのだ。
唐丸は第4話で、猫が花瓶を倒して水浸しになった礒田湖龍斎の原画(このシーンは、ヒイッと声が出た)をすらすら描き写し、蔦重のピンチを救っている。もうこれは多分、きっと、いや、間違いなく、将来の写楽! 成長した姿(誰が演じるのか楽しみだ)で再登場してくれるだろう。
史実的に謎が多い蔦重の少年時代をすっ飛ばし、22歳からスタートした今回。主役の幼少期がないという物足りなさを唐丸で埋めつつ、正体不明の写楽とリンクさせるとは、脚本がすごすぎる!
この第5話は重要な伏線回だと分かっていても、小さな唐丸が苦悩するシーンが多く胸が痛い。そんななか、癒しとなったのがやはり次郎兵衛(中村蒼)。
彼が店前でビードロ(ガラス)製のおもちゃをポコポコポコペンと吹き鳴らす姿がカワイイと話題に。このおもちゃの名は「ポッピン」といい、ポルトガルから伝わり江戸時代に流行したものである。寛政3~4(1791~92)頃、喜多川歌麿も美人画で「ポッピンを吹く女」という浮世絵を描いているのでご存じの方も多かろう。
とはいえ、当時はビードロを作れる職人が江戸・大阪・長崎にしかおらず、相当高価なものだったようだ。
いやはや次郎兵衛、流行に敏感、しかも惜しまず課金するタイプだ。こういう、生活に余裕があるが野心はないボンボンが、意外にニュートラルに世の中を見、物事の本質を捉えていたりするのである。少し前にバラエティ番組で観たMattさんにも同じ匂いを感じた。
次郎兵衛、今後も蔦重になんらかのアイデアをもたらすキーマンとして、活躍しそうである。