続々と登場する個性豊かなキャラクターたち

『まどか26歳、研修医やってます!』第4話 ©TBS
『まどか26歳、研修医やってます!』第4話 ©TBS

 主人公の若月まどか(芳根京子)は、タイトル通り新人の研修医。総合病院で二年間、“スーパーローテーション”というシステムで各科を、同期の医師たちと研修していく。ちなみに会社員の彼氏あり、横浜ベイスターズのファンで野球観戦が趣味、寮住まいの26歳だ。

 まず魅力のひとつとして、主人公がひとつの科に止まらないことがある。大概の医療ドラマは科の専門医となり、同期と切磋琢磨したり、患者と上司とぶつかったりするのが物語のローテーション。「先生、もうダメです!」「あきらめるな!」といった熱い会話が飛んでくる。これはこれで悪くはない。

 ただ本作はまどかが毎週“違う科”で研修を行う。当然だけど、上司の医師も毎週変わる。独身バリキャリ組、病院だけではなく患者からも全幅の信頼を得る名医師、24時間戦士の泊まり込み隊…と、個性豊かなキャラクターが次から次へと登場するので、全く飽きない。現実では難しいのかもしれないが、パワハラといった類は見られず、上司らそれぞれから、毎回、まどかが学ぶシーンがある。

 消化器内科では初めて患者の死に立ち会ったまどか。受け止めきれないショックを、指導医の手塚冴子(木村多江)がアジア料理店で慰めてくれる。現代では社外での飲食も憚られるようだが、こんなシチュエーションは現代だからこそ必要だなあとしみじみ。そういえば自分もン十年前の新人時代に、会社の先輩に色々と愚痴を聞いてもらった。

 他には、院内で「神」と呼ばれている泌尿器科の角田茂司(奥田瑛二)は、自分が何十年間も書き溜めている患者ノートを見せる回もあった。コラム冒頭の「ドラマの主人公は患者さん、我々(医者)はあくまでも裏方だ」というアドバイスを与えたのも、彼。自分よりも年輩と接することは説教を聞くだけではない、吸収することがあると知るまどか。

 さらに担当する科も救命救急、外科といった一般的にドラマへ登場する科ではなく、泌尿器科など作品では珍しくもあり、私たちにとっては身近な科が舞台になるものまたいい。

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