「動の鴻田と静の有木野」の相性が素晴らしい
もうひとつの見どころといえば、バディ…ではないけれど、鴻田と有木野(通称・アリキーノ)のふたりの凸凹コンビ。見た目を辿ると、鴻田は派手なグリーンヘアのメガネ姿でどこまでも明るい。対するように有木野は、いつもスーツ姿で余分なことは一切話さず、どこまでも無表情。この仏頂面がコンビ色にいい味を出す。
そもそも演じている松田龍平は無表情な人物の役をやらせたら、日本一(だと勝手に認定)。声色もテンションも一定のまま、役の感情を観る者に伝える俳優は彼くらいしか思いつかない。今回の有木野役も最適だ。
東新宿署に連行されてくる外国人はそれぞれに事情がある。彼らの言語から状況や思いを汲み取るのが、有木野ら通訳の仕事。ただ彼は刑事だったという経歴と独特の審美眼がある。有木野が無表情で放つ一言は、とても重い場合があるが他の通訳者とは一線を画して、事件解決へ導く。
動の鴻田と、静の有木野。どうやらふたりの間には大きな事件があったらしい。最終章にはどんな結論を迎えるのか?
(文・小林久乃)
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