香取慎吾の凄みのある演技に涙

『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第6話©フジテレビ
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第6話©フジテレビ

 正直、第6話は後半から涙が止まらなかった。

 康太から明かされたのはひまりたちを置いて出ていった理由だった。しかし、理由を聞いても一平も正助も攻めなかった。康太はひまりを探していたという。番組を観て、ひまりがどこにいるか、そして妻であった陽菜が亡くなったことを知った。しかし、ひまりに会うつもりはないという。会話の中で出てきたのは、康太は生命保険に入っており、その受取人がひまりであること。

 話を聞いている一平の表情から、次第に感情が昂っていく様子が見てとれた。立ち去ろうとする康太に向かって感情を爆発させる。生命保険には自死免責期間があり、その間は亡くなったとしても保険金は入らない。

 3年が経ったら死んで、ひまりにお金を渡そうとしているんだろう、と一平が指摘。確かに、6話序盤で映し出された康太のスマホのカレンダーには「3年」の記載があった。康太の目論見に気がついた一平は感情を爆発させる。

「そんなことでひまりで喜ばない、ひまりを馬鹿にするな」

 もうこのシーンの香取慎吾が素晴らしい。演技に感情が揺さぶられる。そして感情をぶつけられた奥野からも想いが溢れる。
心がぶつかり合うような、凄まじいシーンを見せられている、と思った。

 きっと、一平とここで会わなかったら康太は自ら命を絶っていただろうし、ひまりはその事実を知り、苦しむことになっただろう。正助は自分を責めたに違いない。康太が死んでも誰も喜ばない。苦しみと悲しみがひとつずつ増えるだけだ。康太の命を救うことで、一平は多くの人の心を救ったのではないか。

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