『クジャクのダンス、誰が見た?』考察。フラグにしか聞こえない…今、もっとも命があぶないのは? 第4話レビュー【ネタバレ】
text by 苫とり子
広瀬すず主演の金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が放送中だ。本作は、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。今回は、第4話のレビューをお届け。(文:苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
染田(酒井敏也)の死
人生には、後から振り返ると、「あの時、もう1つの道を選んでいたら、全然違った人生があっただろう」と思うような分岐点がいくつかある。ラーメン屋台の店主・染田(酒井敏也)は、その選択肢を間違え続けてきた悲しい男だ。ただし、ある一点を除いては。
『クジャクのダンス、誰が見た?』第4話では、染田の死をきっかけに物語が大きく動き出した。
元々は、父から受け継いだ畳屋を経営していた染田。いつかは幼い息子・悟に後を継がせ、一緒に仕事をすることが夢だった。ところが、工場に新しい設備を導入した直後、バブルが弾け、不渡りを出した染田の会社は倒産。
妻は息子を連れて家を出て行ってしまい、一人ぼっちになってしまった染田は居酒屋で出会った若い男性から勧められた違法薬物に手を出してしまう。そして薬欲しさにサイン偽造という犯罪にも手を染め、逮捕されてしまった。