花の井(小芝風花)が「瀬川」を襲名
細見を売ることに躍起になり、その姿を見て花の井(小芝風花)もある覚悟を決める。「細見がバカ売れするのは、名跡の襲名が決まった時」と松葉屋の女将・いね(水野美紀)の言葉を受け、瀬川の名を継ぐのだ。
先代の瀬川が自害したことから不吉な名とされているが、「わっちが豪華な身請けでも決めて、瀬川をもう一度、幸運の名跡にすりゃいいだけさ」と。好きな人の役に立ちたいという乙女心を蔦重の前では巧妙に隠し、吉原を良くしたい1人の人間として振る舞う花の井の切ないほどの強さに胸を打たれた。
そして花の井の決断が最後の鍵となり、話題性、利便性、価格の面で3拍子揃った蔦重の細見を鶴屋も「売れる」と認めざるを得ない。しかし、これで蔦重がすんなり地本問屋の仲間に参入とはならなさそうで、「倍売れるかもしれませんが…」と鶴屋は意味深な言葉を漏らす。
張り付いたような笑顔に含みを持たせる風間俊介。拷問の末に釈放され、満身創痍で戻ってきた鱗形屋よりも、鶴屋の方が蔦重にとっては厄介な存在となることは間違いなさそうだ。
(文・苫とり子)
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