ドラマ『フォレスト』 第6話考察レビュー。黒幕の最有力となる個性派女優は? 候補5人の中でもっとも怪しいのは?【ネタバレ】
比嘉愛未&岩田剛典がW主演を務めるドラマ『フォレスト』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が放送中だ。本作は、仲睦まじいカップルが、お互いについていた「嘘」によって、人間不信の森(フォレスト)へ迷い込んでいくラブサスペンス。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:西田梨紗】
アメリカ文学を研究。文学研究をきっかけに、連ドラや大河ドラマの考察記事を執筆している。社会派ドラマの考察が得意。物心ついた頃から天海祐希さんと黒木瞳さんのファン。
どのような理由があっても、罪は償わなければならない
純(岩田剛典)は、施設を抜け出した母・茜(黒沢あすか)をブランフォレストの近くで見つけた。茜は取り乱しながらも、鈴子(松田美由紀)の秘書・葉山(堀部圭亮)を探し出し、この男から次男・涼介について聞き出すつもりだったと説明する。
茜が主張するように、彼女は葉山に弱みにつけ込まれた“被害者”だ。しかし悲しいことに、茜は“加害者”でもある。「あの男のところに 早く連れていって」とせがむ茜に、純は「警察に行こう」と切ない表情で応えていた。
茜は葉山や彼の背後に潜むブランフォレストに復讐を試みて、ローストポークに菌を吹きかけた。しかし、結果として、彼女は無関係である中西精肉店の店主・宏樹(吉田ウーロン太)の命を奪っただけでなく、彼の母・慶子(朝加真由美)や妻・塔子(水野美紀)のその後の人生も奪った。
茜は「あんなことになるなんて 思ってなかったんです」と塔子に自己弁護していたように、想定外だったのだろう。とはいえ、茜は自分の大切なものを奪った葉山と同じことを中西家に意図せずにしてしまった。それは“思ってなかった”ですまされることではない。
茜は“大切なものを奪われた被害者”という自意識が塔子の前でも強く、自身のつらさを彼女にも分かってもらおうと必死であった。しかし、塔子が茜を慰めることは当然ない。それどころか、塔子はつらさを訴えてくる茜の頬をぶった。
「死ぬまで 死ぬほど苦しんでください[中略]一生懸けて罪を償ってください[中略]でも あなただけに 罪を 押しつけようとは思ってません ブランフォレストにも 必ず罪を償わせます」
塔子は茜に寄り添っているようにも思う。また、自分の大切なものを奪われ、自らも他者から奪った彼女が、現実に向き合うことを望んでいるのだろう。