庵野(唐沢寿明)が負ける?

『プライベートバンカー』第7話 ©テレビ朝日
『プライベートバンカー』第7話 ©テレビ朝日

 さて、少し悲しみを帯びた骨肉の争いだが、軍配は美琴にあがった。資産マイナス50億円、アイナグループの預貯金マイナス200億円という莫大な損失を出してしまった沙織。

 挽回しなければ岡田の名にも傷がつくはずだが、彼の真の目的は“手数料”だった。沙織に個別で勧めていた10階建てのビルやレジデンス、ファンドへの投資。それらはすべて岡田の元クライアントの持ち物で、新たなクライアント間で売買させることで双方から手数料を受け取っていたという…。

 失意の底に落ちた沙織は、庵野の知恵を借りて美琴のもとへ。美琴が経営者として沙織に捧げた言葉は、どれも筋が通っている。「人の心を持っているかどうかと 人の心がわかるかどうかは全くの別」と聞いたときには、思わずそうだよな、と静かに頷いてしまった。

 沙織は美琴の弱点を握り逆転を狙っていたが、素直に助けを求めていたら美琴はどう答えていたのだろうか。美琴の少しばかり寂しげな顔をみると、きっともっと別の結末があったに違いない、と。そう考えずにはいられない。

 本エピソードでは、2人の間にあるわだかまりが解消することはなかった。沙織はアイナグループの経営に二度と関われなくなってしまったが、夫であった宏樹(玉木宏)のように、新たな可能性を違う場所で見つけられるかもしれない。たくましく生きる沙織の、復活を願うばかりだ。

(文・西本沙織)

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