有木野(松田龍平)とも心がすれ違っていく…。

『東京サラダボウル』第8話 ©NHK
『東京サラダボウル』第8話 ©NHK

 有木野はこの検証によって、織田が豊住の片棒を担いでいることを知る。同僚に知られたらどうする? と織田を案じる有木野だったが、織田もまた「上手くやっていきたい」と言っていた有木野のことを案じていた。

 お互いを守ろうとする心はすれ違い、織田は「安心して生きられる世界に手を差し伸べてくれる誰かに出会えたら、その手をふりほどかないでくれよな」と言い残して、有木野の手を離した。

 その後、織田は阿川の翻訳によって冤罪で起訴された人を助けたいと伊村から頼まれる。「この国でやり直そうとしていた彼らの人生を奪った」――かつて自分も人生をやり直した織田にとって、看過できる言葉ではなかったはずだ。

 盗撮したデータは法廷では使用できない。そのため、織田は阿川の取り調べのデータをマスコミにリークした。当然、その行動は阿川にもバレる。しきりにモンチとの取り調べのデータを気にしていた阿川から、何やら耳打ちされた織田は命を落としてしまう。

 抱えきれないほどの事実を突きつけられたのか。それとも、やってしまったことへの後悔か。織田が追い込まれた状況は詳らかになったが、死へと向かわせた最後のきっかけに、まだ少しだけ靄がかかっている。

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