闇に立ち向かう2人
警察官となってからの織田は、朗らかさと危なっかしさが同居していた。それは織田が大事なものをとことん守ろうとし、人の決意や意志を尊重するあまり、自分の身に迫る危険を顧みないところがあるからだ。それをわかっていながら、救いの手を差し伸べられなかったことを、有木野は心の底から悔いている。
そこに時を経て現れたのが鴻田だ。織田の一件以来、人と距離を置いてきた有木野とも積極的に関わろうとする鴻田に、最初こそ困惑している様子だったが、鴻田は決して心を踏み荒らすことはしない。それに気づき、心を許しはじめたところで、鴻田の相棒として阿川が姿を現した。
また阿川によって巻き込まれてしまうかもしれないという恐怖が、有木野を襲ったことだろう。同時に、「安心して生きられる世界に手を差し伸べてくれる誰か」の手を、今度こそ離したくないとも思ったはずだ。
そのせめぎ合いの末、有木野は堰を切ったように鴻田に自分と織田の過去について話し出す。いつもよりも切迫した表情を見て「無理して話さなくていい」と言う鴻田に対し、「ずっと話したかった。あんたにしか話せなくて」と有木野。その腕を、鴻田が強く、強く掴んでいた。
まだ全貌が見えてこない人身売買組織と、ボランティアとともに不穏な動きを見せる阿川。この闇に、手を取り合った鴻田と有木野はどのように立ち向かっていくのだろうか。
(文・あまのさき)
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